冬には寒さだけでなく、空気の乾燥もやってきます。湿度が高いと落下しやすいウイルスも冬には浮遊しやすく、また、鼻やのどの粘膜の潤いが不足するとバリア機能が低下するなど、冬は何かと感染しやすい季節。こんな時は手洗いやうがいだけでなく、そもそも私たちの体に備わっているウイルスなどの外敵と戦う力、「免疫力」を高めることがとても大切です。今回は腸と免疫との関係、食事から腸と免疫力を整えるコツをお伝えします。

免疫力が下がる理由とは?

免疫とは、体に入ってきた異物を発見し対処する働きのこと。くしゃみや鼻水などで異物を体の外に出す、日常的に作られているがん細胞をやっつけるなど、私たちの健康を守る大切な仕組みです。
しかし生活習慣のちょっとしたズレが積み重なると、知らずのうちに免疫力が低下してしまいます。具体的には体温の低下、睡眠不足、ストレス、栄養バランスの乱れなど。生活習慣以外では、加齢とともに免疫細胞の数が減ることも一因です。そして意外にも「腸内環境が良い状態か」も免疫力を大きく左右します。

腸と免疫力の関係

口や胃で消化された食べたものは、腸でも一部が消化を受けて最終的に栄養素として腸で吸収されます。腸の壁の内側には神経細胞や免疫細胞が存在しており、特に免疫細胞は体全体のうち約7割が腸にあると言われています。そのため、腸内環境を良い状態に保つことは、メンタルの安定や免疫力アップにとても重要なのです。
「腸内環境が良い」とは、老廃物が便や尿からリズムよく排出されている、腸内細菌が悪玉菌に偏らず、善玉菌が元気に働いている状態のこと。悪玉菌は存在していてもよいのですが、活発にさせない事が重要です。早食いなどでよく噛まずに食べる習慣は、腸に未消化の食べものを送り負担をかけやすくなりますし、噛まなくて良い流動的な食べものが中心になると、筋肉でできている腸はグイグイと動く力が弱まります。普段から腸をしっかり動かしているか? 腸がキレイに掃除されているか? よく噛んで消化の良い状態にしているか?などに気をつけて腸そのものや腸内環境を整えましょう。

腸内環境を良くする食事はコレだ!

食物繊維で腸のおそうじ

お子さまは普段から質の良い便をリズムよく出せていますか?黄土色で練り歯磨き程度の柔らかさの小ぶりのバナナ2本、が理想の便です。食物繊維の不足、咀しゃく不足、胃腸のぜん動運動の低下は便を出しづらくし、腸内環境を悪化させる恐れも。
1日3回、食物繊維が多い食材を取り入れよく噛んで食べる習慣をつけましょう。
おすすめ食材:乾物(切干大根、きくらげ、海藻など)、きのこ類、根菜類、穀物(お子さまにはひえ・あわ・きびなど消化の良い小粒の雑穀を加えるのがおすすめ)
ただし便秘や下痢の原因にならないよう、繊維を極端に増やしすぎない、咀しゃくが少ないままにしない、ということも気をつけてくださいね。

発酵食品を取り入れよう

和食は発酵食品の宝庫!腸内の善玉菌を元気にするためにも、上手に取り入れましょう。できれば伝統的な製法でしっかりと発酵・熟成されているものがおすすめです。
おすすめ食材:ヨーグルト、納豆、味噌、塩麹、醤油麹、甘酒、漬物(ぬか漬け、キムチなど。ただし塩分の摂りすぎに注意)

温かい食事を心がけて

胃腸は冷えが続くと働きが弱まります。温かい食事で胃腸をいたわってあげて下さい。特に朝食は軽いもので済ませがちですが、野菜のたっぷり入った温かいスープなど、胃腸を温めて動かすメニューが腸内環境の改善や体温上昇にも繋がります。

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國枝加誉
管理栄養士・健康食育シニアマスター・一汁一菜研究家
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